1994
超大物からジャズ・ファンクまで94ジャズ・シーン最前線は斑尾だ。
B.B.キング・オーケストラ
ブルースの王者、B.B.キング(ギター、ボーカル)は依然として米本国でも圧倒的な人気を誇っている。 今年もニューヨークの夏のジャズ際では看板アーティストとして出演する。斑尾のビッグ・ステージには3年ぶり、通算4 回目の参加になる。最近のB.B.は歌手のルース・ブラウンやジョン・リー・フッカー、ロバート・クレイといった ブルース界の大御所と共演して豪華アルバム「ブルース・サミット」(MCA93年)を発表したり、ジャズ 界の人気プレイヤー、ブランフォード・マルサリスと共演するなど意欲的な活動を続けている。 尚、対日するメンバーは新作「ブルース・サミット」に聴かれるのと同じ顔ぶれの9人編成のバンドだ。
ジョシュア・レッドマン
1991年11月、ワシントンDCで開催された「第5回モンク・コンペティション」で優勝したのをきっかけに 一躍、ジャズ界の新しいヒーローとなった天才的プレイヤー。1962年2月1日カリフォリニア州バークレーの 生まれで26歳。父親は有名なテナー・サックス奏者デューイ・レッドマン。名門ハーバード大学 の社会科をトップの成績で卒業した秀才だが、ジャズはなんと独学というからオドロキ。93年に発表 した「ジョシュア・レッドマン(ワーナー)」と「WISH J・レッドマンfeatパット・メセニー」は ともにベストセラーを記録している。
カーネギー・ホール・ジャズ・バンド 
米国の音楽の殿堂カーネギー・ホールがジャズの定期自主公演のため地元ニューヨークの ベスト・プレイヤーを集結して1992年に発足させた専属ジャズ・バンド。 ニューポート・ジャズフェスティバル・イン・斑尾で何度も来日しているトランペットの 巨人ジョン・ファディスがリーダーを務め、定期公演で活躍している。 17人で構成されるオーケストラの陣容は一人一人がリーダー級のソロイストを集めており、なかでも注目される のは若干20歳の若きトランペットの天才ニコラス・ペイトンが初来日するのをはじめ、トロンボーン界のホール ・ウィナー、スティーブ・トゥーレやサド〜メル楽団で活躍したアルト・サックスの重鎮ジェローム・リチャードソン 、加えてボビー・ワトソンやラルム・ムーアといったジャズ界の第一線で活躍中のサックス界の精鋭が 大挙来日する。リーダーのジョン・ファディスはカウント・ベイシー楽団の長所を取り入れた りサド〜メル楽団での演奏体験やディジー・ガレスピー・ビック・バンドでのコンサート・マスター としての経験を生かしながらこのオーケストラをビック・バンドの最高峰としたいと張り切っている。なお、今回斑尾 にはテナー・サックス界の若手人気ナンバー・ワン、ジョシュア・レッドマンがスペシャル・ゲストに加わる というからこれはもう絶対に聞き逃せない。

インコグニート
UKのトーキング・ラウド・レーベルが誇る90年代のJAZZ〜FUNKバンドの最高峰。スティービー・ ワンダーの「ジャングル・フィーバー」に参加していたメイザー・リーク(リード・ボーカル) を中心にボーカル3名、リーダーでギター奏者のジャン・ポール・モーニック以下ツイン・キーボード 9人編成のバンド、合計12人でインコグニートは構成される。バンドのメンバーはUK 音楽シーンで指折りの実力派ミュージシャンで固めれており、トロンボーンのファヤーズ・ バージン、トランペットのケビン・ロビンソン、テナー・サックスのパトリック・クラハー からなるホーン・セクションは米ソウル界のゴッドファーザー、ジェームス・ブラウンからも絶賛を浴びた。 また、ドラマーのリチャード・ベイリーはブレッカー・ブラザースのデニス・チェンバースとスーパー・ ドラマー、ビリー・コブハムを合体させたような驚異のテクニシャンだ。92年の2ndアルバム 「トライフス、バイブス&スクライブス」ではスティービー・ワンダーのヒット曲「ドント ・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング」のカバーが大ヒットしたほか最新アルバム「スティル・ ア・フレンド・オブ・マイン」からカットされたタイトル・ナンバーと2ndシングル「ギビィング・ イット・アップ」は、ともに日本でもエア・プレイの上位にランクされた。94年3月のジャパン・ツアー は全公演たちまちソールド・アウトになった。斑尾のビッグ・ステージでインコグニートのジャズ ・ファンクが爆発しそうである。
ラリー・ゴールディングス・トリオ

リーダーのラリー・ゴールディングスは1968年8月生まれ。現在ジョン・スコフィールド・ カルテッドで活躍中のキーボードの鬼才。メシオ・パーカーのJ.B.・ホーンズではハモンド ・オルガンでファンキーなプレイも聴かせている。トリオはニューヨークのクラブ「オーギーズ」 で93年に誕生した。ギターのピーター・バーンスタイン(1967年9月生まれ)は巨匠ジム・ホール の愛弟子の一人。ドラムスのビル・スチュアート(1966年10月生まれ)は3年前からジョン・スコフィールド ・バンドで活躍中の注目の新鋭。トリオjsジョショア・レッドマンをゲストに迎えてジャズ〜ボサ・ノバ アルバムをレコーディング(BMGビクター)したばかり。斑尾のビッグ・ステージからトリオとしては本邦デビューを は果たすことになる。

 

キング・オブ・ブルースと言うより、正確には キング・オブ・ミュージックという称号がぴったりのMr.B.B.キング。彼は数えきれない程の若いブルース、ジャズ、ロック・ ミュージシャンはもちろん、今日活躍する人気スター達に大きな影響を与えています。
カーネギー・ホール・ジャズ・バンド は世界の名だたるミュージシャンを揃えた注目すべき組み合わせです。ジョン・ファディスは、2年前このバンドが結成されて 以来、ディレクターとして第一線級の仕事をし、あの有名なカーネギー・ホールをホーム・ベースに、現在これぞアメリカの ジャズ・オーケストラと呼ばれるようになしりました。日本では数々の賞を受賞し、よく知られているルー・ソロフ、そして サックス奏者のボビー・ワトソン。若手テナー・サックス奏者のジョシュア・レッドマンが、このバンドとともに スペシャル・ゲストとして登場します。
インコグニートは、熱気あふれるイギリスのダンス・ジャズ・シーン出身、そして このスタイルを作り出したグループの一つでもあります。元気いっぱいのボーカル、ノリのいいビートと演奏、このバンドこそ、 見て楽しんでください。
ラリー・ゴールディングスのトリオは、ファンキーでしかも質の高い「オルガン・トリオ・サウンド」を 聴かせてくれます。これら若き巨匠たちをはじめとするミュージシャン達が、ジャム・セッションでの重要なパートをつとめ 、ユニークなフェスティバルを作りあげます。彼らのような偉大なアーティスト達による、かつてない組み合わせ 、共演が試みられ、物凄い盛り上がりを見る事ができるのは、ここ以外にありません。斑尾の山は、毎晩不思議な マジックの魅力に包まれることでしょう。


プロデューサー ジョージ・ウィン

1994 
超大物からジャズ・ファンクまで94ジャズ・シーン最前線は斑尾だ。